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犬と獣医

腸内フローラ
移植について

詳しくは下記をご覧ください。

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腸内フローラ移植療法とは

腸内フローラ移植療法とは

 「腸内フローラ移植療法」とは、健常者の腸内フローラ(腸内細菌たち)をレシピエントの腸管へ移植することによって、従来の薬物療法ではアプローチできなかった腸内環境の乱れに対して、腸内環境の正常化を目的とした治療法です。海外ではFecal Microbiota Transplantation(FMT)、日本では「便移植」「糞便移植」「糞便微生物叢移植」「腸内細菌叢移植」とも呼ばれています。

学術的には、糞便微生物叢移植または腸内細菌叢移植と定義されますが、腸内フローラという言葉が一般的に広く使われていることを考慮してユアペットでは「腸内フローラ移植」と呼んでいます。

 中国では4世紀にヒトの下痢に行われていたという記録もありますが、ヒトの難治性消化器疾患である再発性クロストリジウム感染症(rCDI)の治療法として、一躍有名になりました。rCDIは、抗生物質などによる耐性菌の異常増殖によって再発を繰り返し、特効薬がないとされていましたが、2013年オランダから発表された論文によって、腸内フローラ移植療法による高い奏効率が認められ、標準治療に反応しないrCDIに対して腸内フローラ移植療法が広がるようになりました。

 さらに、腸内環境と関わりがあるとされる様々な疾患への最新治療法としても注目されています。このような腸内フローラ移植療法ですが、実は、動物においては、ウマ・ウシの下痢症に対して昔から行われている方法でもあります。

クロストリジウム菌

クロストリジウム・ディフィシル感染症の細菌

バクテロイデス(Bacteroides)

代表的な腸内フローラのバクテロイデス

メカニズム

 腸内フローラは宿主の健康に欠かせない重要な役割を担っていて、もう一つの臓器とも言えます。

 主に、体内最大の免疫システムである腸管免疫の調整を含む、T細胞の制御、病原菌からの防御などの免疫に関する機能。発酵による短鎖脂肪酸(SCFA)の生成、ビタミンの産生、胆汁酸の代謝など代謝の調節及び消化吸収をサポートする機能。自律神経を介して中枢神経系と脳にお互いに影響しあう脳腸相関(Brain-gut interaction)機能が挙げられます。

 これらの機能のおかげで恒常性を保つことができますが、食事、ストレス、加齢、遺伝、抗生物質などの原因があると、腸内フローラの多様性が著しく低下した状態(Dysbiosis)となります。移植を受けることで、ドナーからの腸内フローラ及び腸内フローラによる代謝産物の恩恵により多様性を取り戻すと考えられています。

メカニズム
猫の腸内フローラバランス
犬の腸内フローラバランス
腸内細菌 ディスバイオシス
腸内フローラを整える

副反応

 ドナーからの腸内フローラ液は、薬物治療法に比べて化学物質を含まないため、副反応が少なく安全性が高いとされています。稀に、施術直後に一過性の発熱、腹部膨満、下痢などの症状が起こり得ます。また、重度の腸炎を患っているレシピエントの場合、一時的に症状が弱まったり強まったり不安定な状態が続く恐れがありますが、一過性の症状であり、治療の過程から起きるものと考えられます。長期にわたる重度の有害事象は、ユアペットが提供している腸内フローラ液による施術においては、現在のところ報告されていない状態です。

副反応

投与方法

 ヒトの場合は、注腸、内視鏡、経鼻胃管、カプセルといった方法が用いられています。

1.注腸(浣腸式)

施術がとても簡単で、腸管へ直接投与できます。内視鏡による方法に比べ同時に検査できないデメリットがあるものの、繰り返し移植ができる上、内視鏡、経鼻胃管による施術で起きるような穿孔の恐れもなく体への負担も少ない方法です。​

投与方法

ユアペットでは、

​注腸

 腸内環境へのアプローチや繰り返し投与が簡単な上、非侵襲的な面を考慮して注腸式を採用しております。

 腸内フローラ液は体重に関わらず、犬猫の肛門から直接容器の先端部分を入れていただき、腸内フローラ液を注入して終わります。

 大変簡単に施術できる浣腸式ですので、体にやさしく、繰り返し移植できる特徴があります。

柴 腸内フローラ移植の投与
腸内フローラ液
糞便移植の施術

投与方法

2.内視鏡

内視鏡による移植は、国内大学病院などで主にヒトの治療に用いられています。腸内深部へ直接投与と同時に腸内の状態を検査することができるメリットがあります。但し、侵襲的で内視鏡によるリスク(穿孔、出血)や体への負担(食事制限、麻酔)、さらに費用も高くなります。

3.経鼻胃管

経鼻胃管は侵襲性が低く、上部消化管へ直接移植できるメリットがありますが、経鼻胃管よっての呼吸困難、嘔吐、肺炎などの恐れあります。

3.カプセル

経口投与による簡単な方法ですが、他の方法に比べ、経口であるがゆえに腸管への直接投与とは異なりバリアー対策が必要です。

腸内フローラ液

 腸内フローラ液30ml(一般的なグリセリン浣腸剤入り容器に充填)を動物病院様へご提供しております。ユアペットでは犬猫用に、腸管への直接アプローチや繰り返し投与が簡単な上、非侵襲的な面を考慮して注腸経路での投与が容易な腸内フローラ液をご提供しております。

腸内フローラ液
イヌネコ用 腸内フローラ液

​腸内フローラ液30ml

製     品      名:腸内フローラ液 30ml
成    分:腸内フローラ原液・生理食塩水

対  象   動  物:犬・猫

移植回数

一連の治療として1クール(3回)単位で、数回くり返して行います。

移植回数

● 1回目

 2回目

  (1回目より1~2日後)

 3回目

  (2回目より7日後)

 治療継続 / 経過観察

  (各クール終了後、次の来院時)   

各クールが終了した後、次回の来院時に経過をみていただき治療の継続を判断してください。

注意事項

  • 腸内フローラ液は、必ず冷蔵保管してください。

  • 腸内フローラ液に記載された使用期限を必ず遵守してください。

  • 配送など諸事情により使用期限が変動することがあります。

  • ​腸内環境は絶えず変化するものであり、それぞれの個体によって異なります。食餌、ストレス、加齢、抗生物質、生活環境、遺伝的な要因などによる影響を受けます。

注意事項

よくある質問

Q:推奨する疾患はありますか?

A:炎症性腸疾患(IBD)、クロストリジウム腸炎などの腸炎、繰り返す慢性の下痢・軟便、アトピー性皮膚炎やアレルギーの自己免疫疾患などを推奨しております。その他、腸内環境の乱れ(Dysbiosis)と関わりがあるとされる症状、治療抵抗性を持つ症状、休薬すると繰り返す症状に対する治療オプションや投与中の抗生物質・免疫抑制剤の漸減を目的とした治療、食欲不振や健康維持のための免疫力向上も予防医療の面から適応が考えられます。

Q:拒絶反応はありますか?

A:腸内フローラは宿主の腸管という場所を借りて棲みついている体外の微生物です。移植された腸内フローラは免疫寛容によって排除されず、腸管に定着することができるため、臓器や細胞移植などの生体移植で起こり得るような拒絶反応は起こりません。従って、移植後に拒絶反応を抑える免疫抑制剤の投薬は不要です。

Q:副反応はありますか?

A:腸内フローラ液は化学物質を含まないため、薬物治療に比べて、副反応が少なく安全性が高いとされています。稀に、移植直後に一過性の発熱、腹部膨満、下痢などの症状が起こり得ます。また、重度の腸炎を患っている場合、一時的に症状が弱まったり強まったり不安定な状態が続く恐れがありますが、一過性の症状であり、治療の過程から起きるものと考えられます。

Q:移植回数の目安はありますか?

A:一連の治療として3回移植を1クール単位で繰り返し行います。各クールが終了した後、次回来院時にご判断をお願い致します。また、レシピエントの個体差が大きく明確な目安はありませんが、繰り返し移植することによって腸内フローラの働きを高めることが期待できます。

Q:抗生物質を使っても影響はないでしょうか?

A:抗生物質は、新しく移植された腸内フローラに影響を及ぼす恐れがありますので、移植前48時間以内の投薬はできる限り控えてください。但し、移植前の症状が酷い場合は、症状を抑えるために使用することも可能です。

Q:事前に浣腸する必要はありますか?

​A:浣腸など事前措置は不要です。

Q:経過判断の方法はありますか?

​A:弊社では腸内細菌の構成による経過判断の基準を設けておらず、症状の変化で移植後の治療方針をご検討いただくことをお願いしております。腸内フローラ検査は弊社では取り扱っておらず、腸内フローラ液のみの取り扱いです。

Q:導入方法を教えてください。

​A:WEBまたはFAXからご注文いただくことで腸内フローラ移植療法が導入できます。ご注文の日程に合わせて腸内フローラ液を発送致します。到着後は冷蔵保管の上、使用期限内に使い切るようにお願い致します。移植の際は、腸内フローラ液を浣腸の要領で肛門から注入するだけですので、特別な器具などは必要ありません。

Q:腸内フローラ液の使用期限はありますか?

​A:腸内フローラ液の使用期限は、お届け時に通常7日間ありますので、その旨をご考慮いただきご注文をお願い致します。また、1・2回目移植分は同時発送、3回目移植分は別送となります。

Q:腸内フローラ液を依頼したらどれぐらいで届きますか?

A:毎週木曜日までに受付完了したものは、翌週の水曜日から納品可能です(※月曜祝日の場合は、木曜日から)。但し、北海道、中国、四国、九州、沖縄の場合は、木曜日から納品可能です(※月曜祝日の場合は、金曜日から)。お急ぎの場合は、手配が間に合わない恐れがありますので予めご了承ください。

​Q:腸内環境に関するサプリメントは使ってもいいのか?

A:特に使う必要性はございませんが、治療を補助するためにプロバイオティクス系のサプリメントなど使っていただいても問題ありません。但し、プロバイオティクスの場合は、移植にかかわらず一部レシピエントには合わないケースもありますので、その旨をご留意ください。

Q:オーナーさん向けの説明の資料などあればいただけますか?

A:お気軽に必要なリーフレットの部数をお申し付けください。後日送らせていただきます。

Q:移植後に入院の必要はありますか?

A:入院の必要はないと考えておりますが、ご不安な場合は移植後約10分程度経過をみてください。

Q:移植後に腸内フローラ液が漏れ出たりしても問題ないですか?

A:すぐ腸内フローラ液が出てしまってもレシピエントの腸管に注入された瞬間から定着がはじまるので、施術方法に沿っていただければ問題ありません。

Q:移植後はどれぐらい保てられますか?

A:大きなストレスや環境の変化がない限り、簡単には元の状態に戻らないものと考えておりますが、年齢や食餌などによって個体差があります。また、同じ食餌だと前の状態に戻りやすいため、移植後も食餌療法を併用することを推奨いたします。

Q:費用や支払い方法について教えてください

A:「腸内フローラ液の代金+配送料(冷蔵便)」となります。地域によって配送料が異なるため、詳しくはお問い合わせください。なお、お支払い方法は、銀行振込またはヤマト運輸の代金引換をお選びいただけます(諸手数料はお客様のご負担となります)。また、各動物病院様の施術費は弊社では把握しておりませんので、お答えすることができませんことをご了承ください。

Q:注文後のキャンセルについて

A:腸内フローラ液は微生物であり使用期限があるため、基本的にキャンセルはお受けできません。やむを得ない事情によりキャンセルをご希望の場合は、到着希望日の前の週の木曜日までにご連絡をお願いいたします。あらかじめご了承ください。

よくある質問

​発注の流れ

発注連絡ページまたはFAXからご連絡いただけます。

・腸内フローラ液の受付後、メールにて手配完了のご連絡をいたします(通常1~2営業日)

・毎週木曜日までに受付完了したものに対しては、翌週に納品可能です。

【地域別配送のご案内】

・発送翌日着 ➡ 水~日曜日(月曜祝日の場合、木~日曜日)

・発送翌々日着 ➡ 木~日曜日(月曜祝日の場合、金~日曜日)

(※北海道、中国、四国、九州、沖縄)

・腸内フローラ液の使用期限上、1・2回目施術分は同時発送。3回目施術分は別送となります。

・手配内容の確認、安全管理のフォローアップのために、お電話をする場合があります。お電話可能な時間帯をご記入願います。

WEBからのご注文

● 発注連絡

● Your Pet:注文確認・手配

● Your Pet:手配完了のご連絡

● Your Pet:1次お届け

1回目移植

2回目移植

● Your Pet:2次お届け

3回目移植

発注の流れ
ユアペット 問い合わせ票

FAXからのご注文

全国の施術動物病院

 提携動物病院ページを設けております。2023年11月時点で18院様に許諾をいただいております。各動物病院様からは腸内フローラ移植療法を実際施術していただいた後、許諾を得て掲載しております。該当ページへの掲載されますと、ユアペットのホームページに訪問するオーナー様へご紹介ができます。腸内フローラ移植療法が受けられる動物病院様として記載をご希望する方は、是非ご連絡いただけますと幸いです。

全国の施術動物病院

論文紹介

 腸内フローラ移植療法に関する論文です。論文の内容及びイメージはリンク元及び著者様に著作権があります。

論文紹介

Van Nood E, Vrieze A, Nieuwdorp M et al. Duodenal
infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile. N Engl J Med 2013; 368: 407-15

 

Honneffer, J. B., Minamoto, Y., Suchodolski, J. S.
2014. Microbiota alterations in acute and chronic gastro-intestinal inflammation of cats and dogs. World J. Gastroenterol., 20: 16489-16497.

Furmanski, S., and Mor, T. (2017). First case report of fecal microbiota transplantation in a cat in Israel. Isr. J. Vet. Med. 12, 35–41.

Pereira GQ, Gomes LA, Santos IS, Alfieri AF, Weese JS, Costa MC. Fecal microbiota transplantation in puppies with canine parvovirus infection. J Vet Intern Med. (2018) 32:707–11. doi: 10.1111/jvim.15072

Niina, A.; Kibe, R.; Suzuki, R.; Yuchi, Y.; Teshima, T.; Matsumoto, H.; Kataoka, Y.; Koyama, H. Improvement in Clinical Symptoms and Fecal Microbiome After Fecal Microbiota Transplantation in a Dog with Inflammatory Bowel Disease. Veter. Med. Res. Rep. 2019, 10, 197–201

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